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毎日・読売も総力で書いた中道分裂、Xトレンド20位に入らず──結党7カ月半、希望の党と同じ末路

2026年8月31日、衆議院の野党第1党である中道改革連合が、事実上の分裂に向けて動いた。立憲民主党・公明党との3党合流が正式に見送られ、党を旧立憲系と旧公明系の2つに割る「分党」の調整に入っている。

この日の報道は、どの社もほぼ同じ理由を書いた。安全保障、辺野古、原発。政策が合わなかった、と。

だが、この党が結党から歩いた7カ月半をカレンダーに並べ直すと、報道にまったく出てこない一日が浮かび上がる。

2026年7月31日である。

この日の午後、国会内で3党の党首が会談し、合流に向けた「中間整理」をまとめた。そこには、3党とも解散して新党を作るより、離党と分党で人を動かすほうが「組織手続き上効率的」だと明記されていた。合流の形は、理念ではなく手続きの都合で絞り込まれていた。

そして同じ7月31日の23時59分、中道改革連合が支援者に呼びかけていたクラウドファンディングが締め切られた。集まった金額は1億1742万2000円。目標1,000万円の11.74倍。出したのは1万4703人だった。

党の側が、3党とも解散するより離党・分党のほうが手続き上効率的だと文書に書いたその日に、1万4703人が締切に間に合わせて財布を開いていた。そして1か月後の8月31日、同じ3人の党首が同じ国会内で会い、今度は分裂を確認した。

2026年7月31日、同じ一日に起きた二つのこと7月31日午後の3党首会談で「離党・分党のほうが組織手続き上効率的」と中間整理に明記された一方、同じ日の23時59分にクラウドファンディングが1億1742万2000円・1万4703人で締め切られ、その1か月後の8月31日に3党首が合流断念と分党を確認したことを示す時系列図2026年7月31日、同じ一日に起きた二つのこと党の側と、支援した側。どちらも同じ日付である2026年7月31日午後・国会内/中道・立憲・公明の3党首会談合流に向けた「中間整理」をまとめた「8月末を目途に結論を得る」と明記離党・分党のほうが新党結成より「組織手続き上効率的」と明記幹事長は記者団に「登山で言えば5合目」と語った23時59分/クラウドファンディング締切1億1742万2000円支援した人 1万4703人目標1,000万円に対して1174%返礼品は代表らの直筆サイン入り「写真付き名刺」1か月2026年8月31日午後・国会内/同じ3党首の会談3党合流を正式に断念中道改革連合は分党の方向へ結党 2026年1月16日この日で7カ月半衆院49議席(2月18日現在)2026年分の政党交付金23億4000万円立憲31億2000万円・公明13億9800万円は両党が存続しているため別に交付されている中間整理の文言は時事通信の報道による。金額と人数は募集ページの最終表示。交付金は衆院選結果を受けた共同通信・日本経済新聞の試算額。クラウドファンディングは目標未達でも寄付を受け取るAll-in方式で、寄付後のキャンセルはできないと募集ページに明記されている。

以下、この7カ月半に何が動いたのかを、日付と金額だけで追う。

7月31日23時59分、1万4703人の寄付が締め切られた

目標1,000万円が、1億1742万円になった

クラウドファンディングの開始を発表したのは、2026年3月3日の記者会見だった。会見したのは中道改革連合の階猛幹事長である。衆院選で約170人の落選者を出した党が、その落選者を支えるための資金を集める、という趣旨である。目標は年内に1億円とされた。

実際の募集ページに掲げられた目標金額は1,000万円で、達成後にネクストゴールとして3,000万円が設定されている。6月22日に1億円を突破し、7月31日23時59分の締切時点で、支援総額は1億1742万2000円になった。

サポーターは1万4703人。募集ページには応援コメントが1万672件並んでいる。

金額そのものより、人数のほうが重い。同じ時期の中道改革連合の政党支持率は、各社の調査で2〜3%まで落ちていた。その2〜3%のなかから、1万4703人が名前と生年月日を登録して寄付をした。政治資金規正法の縛りで、匿名では出せない仕組みだからである。

返礼品は、小川淳也代表の直筆サイン入り「写真付き名刺」だった

1万円以上を寄付した支援者への返礼品として案内されていたのは、小川淳也代表と山本香苗代表代行の直筆サインが入った「写真付き名刺」と礼状である。物としての価値がほぼない返礼品に、1万4703人が反応した。

募集ページには、支援金の使い道として「現場活動費」「暮らしの課題を解決するための調査・提案活動費」「情報発信費」の3つが挙げられている。小川代表の名前で載った呼びかけ文には、こう書かれていた。

私たちは、結党の理念や政策を十分に届けきれなかったことを真摯に受け止めています。だからこそ今、改めて原点に立ち返り、皆さんとともに新しい政治をつくりたいと考えています。

変わらないのではなく、変えようとする活動が続かなかっただけかもしれない。あなたの支援が、その活動の燃料になります。

── 中道改革連合代表・小川淳也氏の名前で掲載された募集ページの文面(2026年3月〜7月31日)

「活動が続かなかっただけかもしれない」。この一文が載ったページが閉じた日に、党の側では党そのものを続けるかどうかの手続き比較が進んでいた。

募集ページには、寄付後のキャンセルはできないとも明記されている。目標に達しなくても寄付を受け取るAll-in方式である。

同じ7月31日、党首会談は「組織手続き上効率的」と書いていた

4つの案のうち、消えたのは「3党とも解散する案」だった

3党の合流をどんな形でやるかについては、7月13日の時点で4つの案が報じられていた。共同通信が関係者の話として伝えたもので、9日の3党協議で選択肢として報告されたという。

中身 7月31日以降
新党結成 3党をすべて解散し、新しい党を作る「新設合併」。党名も綱領も作り直す 絞り込みで外れた
中道へ合流 立憲と公明が解散し、残る中道に合流する「存続合併」。地方議員も合流 8月28日に立憲が見送り
中道へ入党 立憲と公明は残したまま、両党の参院議員だけが離党して中道に入る 8月28日に立憲が見送り
3党存続 3党とも残したまま、政党間の連携や参院での統一会派を模索する 8月31日、事実上これに

7月31日の党首会談でまとまった中間整理は、「8月末を目途に結論を得る」と期限を切ったうえで、合流の方法について踏み込んだ。時事通信の報道によれば、離党・分党を通じた結集が新党結成より「組織手続き上効率的」だと明記されている。

つまり、いちばん重い案である「3党とも解散して新党を作る」は、この日の文書で優先順位から落ちた。理由として文書に書かれたのは、理念の話でも支持者の話でもなく、手続きの効率だった。

会談後、中道の階猛幹事長は記者団にこう語っている。臨時国会に新体制で臨むには8月末に意思決定しないと間に合わない、そして「登山で言えば5合目。ここから空気が薄くなるので、エネルギー全開で協議を進めたい」と。

同じ日、公明党の西田実仁幹事長は辺野古移設に触れ、政策の一致がなければ中道政治は実現できない、骨格中の骨格だと記者団に強調している。立憲民主党の田名部匡代幹事長は、最後まで党内が結束できるよう努力する、と述べるにとどまった。7月31日の時点で、3人の幹事長が同じ場所で言っていたことはすでに揃っていない。

5合目と言われた登山は、31日後に中止になった。

解散すれば、残った政党交付金は国に返すことになる

「組織手続き上効率的」の中身は、中間整理の公表分からは読み取れない。ただ、政党を解散するときに必ず発生する手続きが一つある。政党交付金の返還である。

総務省の説明によれば、政党交付金は国会議員5人以上、または直近の国政選挙で得票率2%以上という要件を満たした政党に、年4回に分けて交付される。そして政党が解散した場合、または政党でなくなった場合、残っている政党交付金は国庫に返納しなければならない。

3党をすべて解散して新党を作る「新設合併」を選べば、3党それぞれで交付金の精算が発生する。一方、党を残したまま議員だけを動かす「離党・分党」なら、返納という手続きは生じない。

この記事は、3党が交付金を残すために分党を選んだと主張するものではない。中間整理の全文は公表されておらず、「組織手続き上効率的」という言葉が何を指すのかも説明されていない。ここで並べたのは、公表されている制度と、公表されている文言だけである。何が効率的だったのかを説明していないのは、党の側である。

立憲民主党も公明党も、この7カ月半で一度も無くなっていない

中道改革連合の住所は、立憲民主党の本部だった

ここで前提を一つ確認しておく必要がある。多くの報道が「合流」「分裂」という言葉を使っているが、立憲民主党も公明党も、2026年1月から今日まで一度も解散していない。

2026年1月15日、当時の立憲・公明の両代表が会談して確認したのは、次の3点だった。立憲民主党と公明党は解党しない。中道改革の理念に賛同した衆議院議員が離党して新党に参加する。参議院議員と地方議員は引き続き従来の党に所属する。

つまり中道改革連合は、最初から衆議院議員だけの党だった。参議院の議席はゼロである。総務省への届け出上の本部所在地は、東京都千代田区永田町1丁目11番1号、三宅坂ビル。立憲民主党の本部が入っている建物と同じ住所だった。

だから「分裂」ではなく、出向が終わるだけになる

この構造を頭に入れると、8月31日に起きたことの意味が変わる。

旧公明系の議員が中道を離脱するというのは、無くなっていない公明党に戻るということである。旧立憲系についても、すでに元議員が立憲民主党へ戻り始めていた。4月に離党した元衆院議員は、中道の公認候補としては初めて立憲へ復党した例として報じられている。6月に離党した元法務大臣も、同月中に一般党員として立憲に復党した。

7カ月半のあいだ、3つの政党は3つのまま存在し続けていた。合流したのは衆議院の議員だけで、参議院も地方組織も動いていない。8月31日に確認されたのは、その出向が終わる、ということだった。

報道が「分裂」と書くとき、読者は一つの塊が二つに割れる絵を思い浮かべる。だが実際に起きているのは、いったん外に出した衆院議員を、元の2つの箱に戻す作業である。

7カ月半で、3つの党に68億円の税金が入った

4月20日、5億8400万円が初めて振り込まれた

3つの党が3つのまま残ったことは、税金の流れにそのまま出ている。

共同通信は2月10日、衆院選の結果を受けた2026年分の政党交付金の配分額を試算した。中道改革連合は23億4000万円。参議院議員が残った立憲民主党は31億2000万円、公明党は13億9800万円である。日本経済新聞も同じ時期にほぼ同額の試算を出している。

衆院選の前と後で、立憲・公明系に入る政党交付金がどう変わったか衆院選前は立憲民主党78億4400万円と公明党23億700万円の2党で101億5100万円だった政党交付金が、選挙後は立憲民主党31億2000万円・公明党13億9800万円・中道改革連合23億4000万円の3党合計68億5800万円になったことを示す横棒グラフ2026年分の政党交付金は、2つの党から3つの党へ分かれた衆院選の結果を受けた試算額(共同通信・日本経済新聞)。棒の長さは金額に比例衆院選前(2026年1月1日時点の算定)立憲民主党78億4400万円公明党23億700万円2党あわせて 101億5100万円衆院選後(2月8日の結果を反映)立憲民主党31億2000万円公明党13億9800万円中道改革連合23億4000万円3党あわせて 68億5800万円中道改革連合の23億4000万円は、8月31日に分党の方向が確認された党に交付されている分である。2026年分の交付金の総額は315億3600万円。年4回に分けて交付される。制度に反対する共産党は試算の対象外。

3党を足すと68億5800万円になる。衆院選の前、立憲民主党と公明党の2党だけで101億5100万円だったから、総額としては33億円ほど減っている。負けた分だけ減った、というのが数字の素直な読み方である。

ただし、受け皿は2つから3つに増えた。そして増えたほうの受け皿である中道改革連合には、4月20日、2026年分の第1回として5億8400万円が振り込まれている。同じ日の交付額は立憲民主党が7億7900万円、公明党が3億4900万円。3党で17億1200万円が動いた。

政党交付金は年4回に分けて交付される。4月の次は7月、そして10月と12月に交付日が来る。8月31日に分党の方向が確認された党は、この先の交付日をまたぐことになる。

落選者への月40万円は、政党交付金から出ている

中道改革連合が4月14日に発表した制度がある。衆院選の落選者を対象に、5月から月額約40万円を支給するというものだった。

対象は当初30人。党は年内に約70人まで増やすことを想定していると報じられた。30人でも月1200万円、70人なら月2800万円になる。

この発表に対して、原資は何かという疑問がすぐに出た。党の広報委員長を務める伊佐進一衆院議員は翌15日、自身のXでこう説明している。

何度も言いますが、「私生活には使えません」。あくまで秘書とか事務所とか車とか、政治活動にしか使えないもの。

政党交付金から出るお金はすべて、領収書の公開が必要です。私生活には使えません。

政党交付金は、政党の政治活動が特定の企業団体の意向にゆがめられることを避けるため、民主主義のコストとして国民の皆さんからいただいた税金で賄われています。

── 中道改革連合・伊佐進一衆院議員(2026年4月15日、Xへの投稿)

説明されているとおり、この40万円は政党交付金、つまり税金である。私的流用はできず、領収書の公開が必要だとされている。

ただ、事実の並びとして残るものがある。落選者を支えるために税金から月40万円が配られ、同じ落選者を支えるために1万4703人から1億1742万円が集められた。そして、その落選者たちが次々と党を離れていった。

2月から8月までの離党の動きは途切れていない。公明系を比例名簿の上位に置いた選挙運営への不満、皇位継承や沖縄の基地問題での不一致、そして党がパーティー開催を勧め始めたことへの反発。理由はさまざまだが、離党届は止まらなかった。8月19日には、離党した元議員3人が新しい政治団体の設立を国会内で発表している。

パーティー全面禁止の法案を出した党が、パーティーを勧め始めた

中道改革連合が資金面で何をしたかを並べると、もう一つ目立つ転換がある。

立憲民主党は2024年5月20日、政治資金パーティーの開催を禁止する法案を国会に提出していた。違反すれば1年以下の拘禁刑や公民権停止といった罰則まで明記した法案である。

その立憲民主党の衆院議員が中心になって作った中道改革連合の小川淳也代表は、2026年3月6日の記者会見で、党所属議員と落選者による政治資金パーティーの開催を推進する方針を示した。翌7日、津市での会合では「自粛するつもりはない。資金獲得のツールにしてほしい」と語っている。

3月9日には、立憲民主党の水岡俊一代表も足並みをそろえた。パーティーを政治とカネの問題と結び付けて全てダメだという考えは立民も一旦区切りをつけた、と会見で述べ、役員の開催自粛を2025年12月に解除していたことを明かしている。

日付 出来事
2024年5月20日 立憲民主党、政治資金パーティーの開催を禁止する法案を国会に提出
2025年12月 立憲民主党、役員のパーティー開催自粛を解除(公表は2026年3月9日)
2026年1月16日 中道改革連合が結党。旧立憲144人・旧公明21人が参加し167議席
2月8日 衆院選で49議席に大敗。約170人の落選者が出る
3月3日 落選者支援のクラウドファンディング開始を発表。年内1億円を目標に
3月6〜9日 中道代表がパーティー開催の推進を表明。立憲代表も自粛解除を明かす
4月14日 落選者30人に月額約40万円を支給する制度を発表。5月開始、年内70人へ
4月20日 政党交付金の第1回分として、中道に5億8400万円が交付される
6月22日 クラウドファンディングが1億円を突破
7月31日 3党首会談で中間整理。同日23時59分、寄付が1億1742万円・1万4703人で締切
8月28日 立憲民主党、早期合流の見送りを正式決定
8月31日 3党首会談で合流断念を確認。中道は分党の方向で最終調整

この転換を理由に離党した元議員もいる。これまでの主張を一転してパーティー開催を奨励するなど党の方針に疑問がある、として3月中に離党届を出す意思を表明した元衆院議員がいた。衆院選で党幹部を痛烈に批判していた人物である。

報じられている背景は単純である。国会議員の数で決まる政党交付金に頼っていたところに、落選者が大量に出た。歳費が入らない元議員を支える資金が足りなくなった。だから、かつて禁止法案まで出したパーティーに戻った。

1万4703人が1億1742万円を出したのは、この流れの途中である。

8媒体が3日書いても、Xのトレンドには一つも入らなかった

誰も検索していない

8月31日、この件を報じたのは特定の論調のメディアに限らなかった。読売・毎日・産経・日経・朝日・時事通信・共同通信・TBS・日本テレビ・テレビ朝日・ABEMAが、ほぼ同じ骨格の記事を横並びで出した。Yahoo!ニュースの国内トピックス欄には、29日から31日まで3日連続で、この政局の見出しが立った。

配信社 見出し(8月29〜31日)
時事通信 中道、瓦解の危機 結党7カ月、募る相互不信〔深層探訪〕
読売新聞 中道改革連合は分裂の公算、公明出身議員が離脱検討
毎日新聞 中道、分裂の公算大 公明出身議員の離脱を調整 31日に結論へ
産経新聞 中道が分裂の公算、公明出身者が離脱の方向で調整
日本経済新聞 中道改革連合「立憲民主・公明系」に分裂の公算 3党首、合流断念を確認
共同通信 中道執行部、党会合で分裂見通し説明
NHK 中道 立民 公明 きょう再び党首会談へ「分党」やむなしの意見
フジテレビ系 中道・立憲・公明 党首会談で正式に合流断念 中道は事実上の分裂へ

ところが同じ8月31日午後6時48分、Yahoo!リアルタイム検索の急上昇ワード上位20位には、この話題はひとつも入らなかった。上位を占めていたのは、プロ野球選手の移籍話、格闘技イベント、鹿児島県知事選、芸能人の訃報などである。中道・立憲・公明・分裂・合流のいずれの単語も、20位以内になかった。

同じ時間帯のYahoo!ニュース国内アクセスランキングも、政局はトップ5に入っていない。同日22時台に再度確認しても、上位5本はネパールの土石流に巻き込まれた教諭、同志社国際高校の教師の死去、行方不明者の身元、火葬に関する特集で、政局の記事は見当たらなかった。

コメント欄だけが賑わうのは、母数が違うからである

一方で、記事についたコメント数は小さくない。読売新聞の「分裂の公算大きく」という記事には1093件、時事通信の「瓦解の危機」の記事には2216件のコメントが付いた。

だがこれは母数が違う。Yahoo!ニュースのコメント欄は、政治ニュースに反応する常連層が集中して書き込む場所であり、トレンドやアクセスランキングのように一般利用者全体の行動を反映する指標ではない。

そして、そのコメント欄に集まった読者が何を求めているかも、数字で出ている。時事通信の記事に併設されたアンケート(回答1137件)では、「野党に最も期待する役割は何か」という問いに対し、「建設的な対案の提示」が64.5%を占めた。「政権交代に向けた準備」を選んだのは9.4%である。

政界再編そのものは、読者が野党に期待している上位ではない。

報道が3日間書かなかったのは、7月31日のほうだった

8月29日から31日まで、全国のニュース面の一等地は「誰が離脱するか」で埋まった。だが、その3日間の記事のどれを開いても、7月31日の二つの出来事は並んで出てこない。

中間整理に「組織手続き上効率的」と書かれていたことは、7月31日の当日に報じられている。クラウドファンディングが1億1742万円で締め切られたことも、8月10日に報じられている。どちらも報じられてはいるが、別々の日の、別々の記事としてである。

分裂を伝える3日間の記事でこの二つを並べたものは、確認できた範囲では見当たらなかった。政局報道の型は「誰と誰が会い、何を決めたか」であって、「その日、支援者の側で何が締め切られていたか」は取材対象に入っていない。

結果として、8月31日の記事を読んだ人は、路線の違いで党が割れたと理解する。7月31日に何が起きていたかを知らないままである。

伊佐進一氏は8月31日、自身のYouTube配信で、他社が報じた「公明系議員の中道離脱」という見方を「誤報」だと否定した。同じ日に、旧立憲出身の元衆院議員が中道を離党する意思を示している。党の広報が火消しに回る一方で離党者が出るという食い違いも、そのまま横並びで配信された。

1万4703人の寄附金控除は、来年3月に誰が申請するのか

最後に、この記事でいちばん確認したかったことを書く。

クラウドファンディングの募集ページには、寄附金控除の手続きについて、こう案内されている。今年12月末までの寄付分を対象に、来年3月末に中道改革連合より総務省へ申請する。書類の届けは総務省での点検・審査を経た後になるため、6月から7月頃を予定している──と。

政党等への寄付は、年間2000円を超える分について寄附金控除の対象になる。ただし控除を受けるには、党から発行される書類が要る。その書類を来年3月末に総務省へ申請するのは、募集ページの記載どおりなら「中道改革連合」である。

8月31日に確認されたのは、その中道改革連合を旧立憲系と旧公明系に分ける、という方向だった。その3日前の8月28日の党首会談で、立憲民主党の水岡代表は中道への組織的合流はしないと表明し、公明党の西田幹事長は根本の政策が一致していないとして統一会派の結成も否定していた。分党後にどちらが手続きを引き継ぐのか、そもそも党名がどうなるのかは、この日の会談後の発表には出てこない。

加えて、募集ページにはもう一点書かれている。年間5万1円以上の寄付、および5万円以下でも寄附金控除を受ける場合には、寄付年月日・金額・氏名・住所・職業が選挙管理委員会宛の収支報告書に記載され、総務省のホームページなどで公開される、と。

控除を受けようとすれば、名前と住所と職業が公開される。公開されたうえで、書類を出す党が来年3月に存在しているかどうかは、まだ誰も説明していない。

1万4703人が出した1億1742万円は、政党交付金と違って、税金ではない。自分の財布から出た金である。その金の行き先について、8月31日の全国ニュースは一行も触れていない。

この記事で使った資料と、その確度

低いから使わないという意味ではない。★2でも用途を限定すれば材料になる。

確度 媒体 資料 評価の理由
★4 中道改革連合 政治を変える。覚悟の挑戦。「中道」を一緒につくり、支えてください。(募集ページ) 党自身が出した募集ページ。支援総額・人数・締切日時・返礼品・寄附金控除の案内文を一次資料として使用
★3 読売新聞(dメニュー転載) 中道改革連合クラウドファンディングに計1億1742万円の寄付…当初の目標を大幅に上回る 締切後の総額が8月10日の時点で報じられていたことの確認に使用。金額そのものは募集ページの表示と一致する
★3 時事通信 中立公、合流判断「8月末目途」 3党首が中間整理、課題持ち越し 7月31日当日の会談報道。中間整理の文言「組織手続き上効率的」と幹事長の発言の出所。中間整理の全文は未公表のため、文言の引用元をこの1本に限定して明示した
★5 総務省 なるほど!政治資金 政党助成制度 制度の所管官庁の公式解説。政党要件、年4回の交付、解散時の国庫返納の根拠として使用
★5 総務省 IV 政党交付金の額の算定と交付手続 議員数割・得票数割の算定方法と交付時期の確認にのみ使用
★4 時事通信 政党交付金、中道に初支給 5億円超 総務省の交付発表当日の報道。4月20日の11党への交付額を政党別に列挙しており、数字の出所が追える
★4 日本経済新聞 中道、政党交付金減で苦しい懐事情 政治資金パーティー規制論が後退 自社試算にもとづく3党の交付額と、パーティー方針転換の会見発言の出所。選挙前101億円という比較もこの記事による
★2 共同通信 大勝の自民、交付金153億円に 衆院選受け、中道は23億円 配信記事のため★2。政党別の試算額という「数字だけ」に用途を限定し、日経の試算と一致することを確認したうえで使用した
★2 京都新聞(共同通信配信) 【独自】中立公、合流巡り4案検討 新党結成、統一会派も 関係者取材の独自記事で配信のため★2。4案がどう分類されていたかという事実のみに使用し、なぜ絞られたかの理由には使っていない
★3 J-CASTニュース 中道の落選者支援、伊佐進一議員が説明「何度も言いますが、『私生活には使えません』」 議員本人のX投稿を引用した記事。発言の引用はこの記事に載っている日本語原文の範囲にとどめ、制度の評価には使っていない
★3 公明党所属市議の公式サイト 中道は政党交付金目当てで結党!? それは全くのデマです! 合流側が交付金の指摘にどう反論したかを示す反対側の材料。衆院のみで結党し立憲・公明の組織を残した経緯の説明部分を使用
★4 Yahoo!リアルタイム検索 急上昇ワードランキング(8月31日18時48分時点) プラットフォーム自身が集計するトレンド上位20位を、実際の閲覧時点で確認した実測値
★4 Yahoo!ニュース 中道改革連合は分裂の公算、公明出身議員が離脱検討(読売新聞オンライン) プラットフォーム自身が表示するコメント数とアクセスランキングを一次データとして使用。記事本文は他社報道と重複する範囲でのみ参照
★3 日本経済新聞 中道から公明出身議員が離脱視野 合流頓挫、次の政界再編シナリオ 会員限定記事のため冒頭のみ確認。8月28日の党首会談で立憲が見送りを伝達した事実の裏取りに限定して使用
★3 NHK 中道 立民 公明 きょう再び党首会談へ「分党」やむなしの意見 8月31日の見出し一覧に使用。分党という言葉が当日どう使われていたかの確認
★2 Wikipedia 中道改革連合 二次資料。個々の脚注が報道にひもづいており、結党時の3点確認・届出上の本部所在地・離党者と日付の時系列整理にのみ使用した

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編集者K

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