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岸田政権の3年で特定技能は5.1倍になった──その業界団体の理事は、岸田文雄の実弟である


外国人が増えれば増えるほど、売上が増える商売がある。

登録支援機関という。

特定技能の在留資格で外国人を雇う企業には、法律上の支援義務がある。中小企業が自前で回すのは難しい。そこで代行して、対価を受け取る事業者だ。

報酬は外国人1人あたり月額で平均2万8,386円。人数に比例して増える。

この業界には、事業者が集まった団体がある。一般社団法人日本登録支援機関協会。2021年2月2日に設立された。

その理事の一人が、これである。

一般社団法人日本登録支援機関協会 役員表(同協会サイト・2026年4月24日更新)

理事 岸田 武雄 株式会社フィールジャパンwith K 代表取締役

岸田武雄。岸田文雄の実弟である。

そして岸田文雄が総理だった3年弱で、特定技能の在留者は5.1倍になった。この業界の市場も、同じだけ伸びている。

先に書いておく

この記事は、「実弟のために制度を広げた」と主張するものではない。そう言える証拠は一つもない。会社側も明確に否定している。

並べるのは、公表されている日付と肩書きと数字だけである。因果関係を示すものではない。

順番に見ていく。

まず、金の流れを確認する

特定技能1号で外国人を雇う企業には、10項目の支援義務がある。

入国前のガイダンス、住居の確保、公的手続きの同行、日本語学習の機会、相談対応、定期面談。これを全部やらなければ、外国人を雇えない。

制度が用意した抜け道が、登録支援機関への委託である。

項目 数字
月額支援委託費の平均 外国人1人あたり 2万8,386円
価格帯 71.8%が月1万5,000円〜3万円に設定
登録支援機関の数 全国で1万330件(2025年6月時点)

ここが要点である。

登録支援機関の売上は、特定技能で在留する外国人の人数に比例する。

対象分野が広がれば人数が増える。人数が増えれば、委託件数が増える。

つまり、制度の対象を広げる決定は、この業界にとって直接の市場拡大である。

お金は、どこを流れるのか送り出し国インドネシア等特定技能外国人39万0,296人受け入れ企業10項目の支援義務登録支援機関(全国1万330件)支援業務を代行し、委託料を受け取る1人あたり 月 平均 2万8,386円支援を委託人数が増えるほど、委託件数が増える対象分野を増やすのは、政治の仕事送り出し国を増やすのは、業界の仕事

1社あたりで見ると、いくらか

規模の感覚をつかんでおく。

2025年末の特定技能39万0,296人を、登録支援機関1万330件で割ると、1社あたり平均37.9人。

月額2万8,386円を掛けると、1社あたり月およそ107万円、年で約1,290万円になる。

大企業の売上ではない。数人で回す会社なら、これで成り立つ規模である。

ただし、これは業界全体を機関数で割った平均であって、特定の1社の売上を示すものではない。各社の支援人数は公表されていない。

フィールジャパン with K は2022年の取材に「本当にスタッフ数人でやっている零細企業なんです」と答えている。

ここは大事なところなので、はっきり書く。この業界は、1社が巨額を得る構造ではない。

だが逆に言えば、人数が増えれば、小さい会社ほど売上の伸び方が大きい。4年で7.9倍というのは、そういう倍率である。

市場は、4年で7.9倍になった

特定技能で在留する外国人の数を並べる。出入国在留管理庁の統計である。

時点 特定技能の人数 支援委託費の年間総額(試算)
2021年末 4万9,666人 約169億円
2024年6月末 25万1,747人 約858億円
2025年末 39万0,296人 約1,329億円

試算の前提

支援計画の義務があるのは特定技能1号で、表の人数は1号・2号の合計である。自社で支援する企業もあるため、実際の市場規模はこれより小さい。絶対額ではなく、伸び方を見るための数字である。

伸び率は動かない。4年で7.9倍。

2021年末というのは、岸田内閣が発足した年の暮れである。2025年末は、岸田氏が退陣して1年2か月後だ。

この間に何があったのか。

2023年6月9日、扉が9分野ぶん開いた

この日、岸田内閣は特定技能2号の対象分野を、2から11へ広げる閣議決定を行った。

追加されたのは9分野。ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業である。

それまで2号が認められていたのは、建設と造船・舶用工業の2分野だけだった。

1号と2号の違いを並べる。

項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算5年が上限 更新に上限なし
家族の帯同 認められない 配偶者・子を帯同できる
永住申請 実質不可 要件を満たせば道が開く

ただし、2号はまだ小さい

ここは正確に書く必要がある。

特定技能2号の在留者は、2025年末で7,955人にすぎない。特定技能39万人の、およそ2%である。

つまり、市場の7.9倍を動かしたのは2号ではない。ほぼ全部が1号である。

2023年6月9日の意味は、金額ではなく永住への道を9分野ぶん開いたことにある。効果が数字で出るのは、これからだ。

では、市場を動かしたほうの決定は何か。

2024年3月29日、受け入れ枠が2.4倍になった

閣議決定は、もう一つある。

2024年3月29日、岸田内閣は特定技能1号の対象分野に4分野を追加した。自動車運送業、鉄道、林業、木材産業である。

これで対象は12分野から16分野へ広がった。

同時に、受け入れ見込数が再設定された。

特定技能の受入れ見込数(2024年3月29日 閣議決定)

令和6年度からの5年間で82万人

令和5年度までの5年間に設定していた人数の、約2.4倍

登録支援機関の売上に直結するのは、こちらである。

支援義務があるのは1号だからだ。2号には支援計画の義務がない。

閣議決定 内容 この業界への影響
2023年6月9日 2号を2分野→11分野 支援義務がないため、直接の売上増は小さい
2024年3月29日 1号を12分野→16分野、見込数を82万人へ(2.4倍) 支援義務のある1号が増える=市場が広がる

2つの閣議決定は、意味が違う。

2023年6月9日は、永住への扉を開けた。

2024年3月29日は、市場の天井を上げた。

どちらも岸田内閣である。

そして2024年6月14日には、育成就労法が成立している。技能実習を廃止し、目的を「国際貢献」から「人材の育成と確保」へ書き換えた法律だ。育成就労の出口は、特定技能1号である。

岸田政権の3年で、在留外国人は276万人から359万人へ、82万8,321人増えた。

在留外国人数の推移(各年末・出入国在留管理庁)赤=岸田内閣の期間中に迎えた年末(2021年10月4日発足/2024年10月1日総辞職)300万350万400万293万2019289万2020276万2021308万2022341万2023377万2024413万2025岸田内閣2021年末 276万人 → 2024年6月末 359万人(+82万8,321人)。2025年末に初の400万人超

就任した2021年の暮れに276万人。退陣直前の2024年6月末に359万人。3年弱で82万8,321人である。

コロナで一度減った分の戻りは含まれる。だが戻る前の水準は293万人だった。359万人は、コロナ前を66万人上回っている。

そして2025年末、在留外国人は412万5,395人で初めて400万人を超えた。1年で35万6,418人、9.5%増である。

その業界団体は、何をしていたか

日本登録支援機関協会の活動を、公表資料から拾う。

目的に「省庁への意見具申」と書いてある

まず、協会の代表理事あいさつである。

一般社団法人日本登録支援機関協会 代表理事あいさつ(同協会サイト)

「登録支援機関として実務に携わる現場の声を集約し、関係省庁への意見具申等を通じて制度の改善に寄与することを主要な目的のひとつとしております」

親睦団体ではない。省庁への働きかけが、公式の目的として明記されている。

名誉顧問は、入管議連の会長

役員表の一番上には、こう書かれている。

役職 氏名・肩書き
名誉顧問 柴山昌彦/自由民主党 衆議院議員。出入国在留管理業務の適正運用を支援する議員連盟 会長、日本語教育推進議員連盟 会長
代表理事 井崎忠弘/行政書士、株式会社ハッピー・メンター 代表取締役
理事 岸田武雄/株式会社フィールジャパンwith K 代表取締役
理事 竹島美香子/株式会社MGC 代表取締役
理事 天野正幸/倫理協同組合 代表理事、さくら観光バス株式会社 代表取締役

入管行政に働きかける議員連盟の会長が、その行政で商売をする業界団体の名誉顧問を務めている。

入管庁の政策課長を、議員会館に呼んでいた

協会の活動報告に、こういう記載がある。

会員活動2023の活動報告(同協会サイト)

「国会セミナー2023」「今後の技能実習・特定技能はどうなる?」

当協会名誉顧問 自民党出入国在留管理議員連盟会長 自由民主党衆議院議員 柴山昌彦先生

講演者:出入国在留管理庁政策課 政策課長 本針和幸

「直接担当課長からのご説明、質疑応答もあり、とても有意義な価値あるセミナーでした」

2023年8月25日 in 衆議院議員会館

整理する。

要素 内容
開催日 2023年8月25日。11分野拡大の閣議決定から2か月半後
場所 衆議院議員会館
説明した人 制度を所管する入管庁の政策課長
聞いた人 協会の会員である事業者。当日の出席者名は公表されていない

制度を作る側が、制度で儲ける側に、議員会館で直接説明していた。

活動計画に「新規外国人送り出し国の開拓」

もう一つ、2022年の活動計画を見る。

会員活動2022(同協会サイト)

4月 勉強会(特定技能在留資格申請)

6月 勉強会(入管への定期報告書の作成)

8月 勉強会(各国送り出し機関、受け入れ企業情報交換)

10月 国会セミナー(仮題 特定技能制度の今後の方向)

12月 勉強会(新規外国人送り出し国の開拓

2月 新規外国人送り出し国の視察

「開拓」と「視察」である。

この団体にとって、外国人を増やすことは事業活動そのものだ。

そこに何の不思議もない。業界団体とはそういうものである。

説明が要るのは、その団体の理事に、制度を決める総理大臣の実弟がいたという点である。

その会社が扱っているのは、インドネシアである

株式会社フィールジャパン with K の業務内容を、自社サイトから引く。

株式会社フィールジャパン with K(自社サイト・会社概要)

設立:2009年9月/代表取締役:岸田 武雄

業務内容:特定技能制度 外国人採用支援(特定技能制度登録支援機関 20登-005429)——特定技能制度を活用したインドネシア人の国内就労を支援/旅行代理店(東京都知事登録 旅行業3-6242号)

もともとはムスリム向けの訪日旅行を扱う旅行代理店だった。2009年設立である。

岸田武雄氏は1960年生まれ。岸田文雄の3歳下の実弟で、慶應義塾大学卒、1985年に三菱商事入社。マレーシアなどで駐在勤務を経験している。

同社は2022年の取材に対し、「2019年に特定技能制度ができてから、外国人採用支援を始めた」と説明している。

そのインドネシアが、いちばん伸びた

特定技能で在留するインドネシア人の数を並べる。

時点 特定技能のインドネシア人
2022年 9,481人
2023年12月末 3万4,253人
2024年12月末 5万3,496人(1年で約6割増)
2025年6月 6万9,537人

3年ほどで7.3倍である。

在留インドネシア人の総数も、2025年末に26万6,069人。1年で6万6,245人増えて、国籍別で6位になった。

1年で6万人以上増えたのは、ほかにネパール(+6万7,949人)だけである。ミャンマーが+4万7,993人で続く。

一方で、日本に長く定着している韓国とブラジルは減っている。

つまり、外国人の構成そのものが短期間で入れ替わっている。伸びている国のひとつが、インドネシアである。

協会は「新規送り出し国の開拓」を掲げていた

ここでもう一度、業界団体の活動計画を思い出してほしい。

2022年の12月に「新規外国人送り出し国の開拓」、翌2月に「新規外国人送り出し国の視察」。

供給元を増やすことが、この業界の事業活動である。

需要は日本の人手不足で、供給は送り出し国。その間に立って手数料を得るのが登録支援機関だ。

市場を広げるには、2つの方法しかない。制度の対象分野を増やすか、送り出し国を増やすか。

前者は政治が決める。後者は業界がやる。

2023年6月9日、前者が動いた。

83万人の中身を、在留資格で割る

岸田政権の3年で増えた82万8,321人を、資格別に見る。

在留資格 2021年末 2024年6月末 倍率
特定技能 4万9,666人 25万1,747人 5.1倍
留学 20万7,830人 36万8,589人 1.77倍
技能実習 27万6,123人 42万5,714人 1.54倍
技術・人文知識・国際業務 27万4,740人 39万4,295人 1.44倍
永住者 83万1,157人 90万2,203人 1.09倍

特定技能だけが5.1倍。他の資格とは桁が違う。

そして2025年末には39万0,296人。1年で10万5,830人増えて、全在留資格のなかで増加数が最も大きい。

登録支援機関の売上に直結するのは、この欄だけである。

制度が始まったのは2019年4月。最初の2年9か月で5万人しか集まらなかった制度が、その後の4年で39万人になった。

転換点は、対象分野を広げた2023年6月9日の閣議決定にある。

時系列で並べる

2つの時計は、並んで進んでいたすべて公表されている日付と記載。因果関係を示すものではない。時期政府の決定岸田武雄氏と業界団体2018年12月特定技能を創設(安倍政権)。2号は2分野に限定2019年4月制度が施行フィールジャパンが外国人採用支援を開始(同社説明)2020年登録支援機関に登録(20登-005429)2020年11月10日入管議連が発足(発起人9名・自民党)2021年2月2日日本登録支援機関協会が設立2021年10月4日岸田内閣が発足2022年活動計画に「新規外国人送り出し国の開拓」2022年7月協会サイトの役員表に岸田武雄氏が理事として記載2023年6月9日2号を2分野から11分野へ拡大2023年8月25日衆議院議員会館で入管庁政策課長を招きセミナー2024年3月29日1号を16分野へ。見込数を82万人(2.4倍)に2024年6月14日育成就労法が成立(技能実習を廃止)2024年10月1日岸田内閣が総辞職※ 協会理事の就任日は公表されていない。表は在任が確認できる時点を示す。

この図に、断定は一つもない。すべて公表されている日付である。

理事の在任時期

就任日は公表されていない。確認できるのは、在任していた時期の幅である。

時点 確認できること
2022年7月 協会サイトの役員表に理事として記載(この時点の閲覧記録が残る)
2024年5月 第三者サイトが役員表を転載。理事として記載
2026年4月 協会サイトの最新更新。現在も理事

2023年6月9日の閣議決定をはさんだ期間、理事の職にあった。

岸田文雄が総理を退いた後も、その職は続いている。

会社は否定している

この疑いは、2022年に一度メディアが取材している。同年9月3日、光文社『FLASH』のウェブ版が利益誘導疑惑を報じ、フィールジャパン with K の担当者が答えた。

同社担当者(SmartFLASH・2022年9月3日)

「(中略)まったく関係ないです。総理にお願いをしたり、ということはまったくありません

「本当にスタッフ数人でやっている零細企業なんです」

「いまやっと成約でき始めたところなので、社長が総理の身内と知らない人も多いんですよ

「逆に社長はそういうことを嫌うというか(中略)いっさい言ってないです。迷惑をかけたくないですし」

「特定技能は、枠を増やしたからといって、ポンと1つの企業が儲かるなんて簡単な仕組みじゃないんです」

「弱小で、本当にツイッターでつぶやかれるほどの影響力はまったくないですし、恩恵もありません

同記事で、政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう述べている。

角谷浩一(政治ジャーナリスト/SmartFLASH・2022年9月3日)

「政治家と親族の関係は疑問を持たれやすいものではありますが、逆にいえば、つねに注目されているなかで、利益誘導のような無茶はほとんどできないでしょう

同記事によれば、岸田文雄氏の事務所には問い合わせたが、期日までに回答はなかった。

疑いが弱くなる材料

この見立てが成り立ちにくい点も、並べておく。

論点 疑いが弱くなる理由
登録の時期 登録番号は「20登」。兄の総理就任より前に登録している
制度を作った政権 特定技能を創設したのは2018年の安倍政権
事業規模 登録支援機関は全国に1万330件。1社のシェアは極めて小さい
対象国 同社の対象はインドネシア。同国は在留外国人全体の約6%にとどまる(ただし特定技能では伸び幅が大きい)
要求元 11分野拡大は各業界団体と所管省庁の要望による
収入の性質 登録支援機関の収入は受け入れ企業からの委託料で、税金ではない

「弟のために分野を広げた」という証拠は、どこにもない。この記事も、それを主張していない。

それでも残るもの

証拠がない、で終わらせると、この話は何も残らない。

だから、残るものを書く。

1. 岸田文雄は、一度も説明していない

2022年9月、週刊誌がこの疑いを報じた。事務所は回答しなかった。

その9か月後の2023年6月9日、岸田内閣は特定技能2号を11分野へ広げる閣議決定をした。

国会でも記者会見でも、実弟が登録支援機関の業界団体理事であることについて、岸田氏が説明した記録は確認できなかった。

利益相反というのは、不正があったかどうかの話ではない。疑われる立場にあったかどうかの話である。

総理大臣が、ある制度の対象範囲を広げる閣議決定をする。その制度で収入が生まれる業界がある。その業界団体の理事に、実弟がいる。

この配置は、不正がなくても説明が要る配置である。

2. 誰も、増やさない理由を持っていない

この制度をめぐる関係者を並べる。

立場 外国人が増えると
登録支援機関 委託件数が増える=売上が増える
送り出し機関 手数料収入が増える
受け入れ企業 賃上げをせずに人が採れる
所管官庁 業界の要望を通した実績になる
政治 経済団体の要望に応えられる
受け入れる地域 負担が増える。そして決定の場にいない

上の5つは、全員が増やす側に利害を持っている。

いちばん下だけが、負担する側にいる。そして決める場所にいない。

この構造では、止める役が存在しない。

3. 「移民政策は取らない」と言っていた

2024年5月24日、参院本会議。育成就労法案の審議で、岸田首相はこう答弁している。

岸田文雄首相(2024年5月24日・参院本会議)

「国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする、いわゆる移民政策を取る考えはありません」

この定義には3つの条件が入っている。「一定程度の規模」「その家族を」「期限を設けることなく」。

そして特定技能2号は、対象が11分野に広がり、配偶者・子を帯同でき、在留更新に上限がない。

人数はまだ7,955人で「一定程度の規模」には遠い。だが制度の枠組みとしては、3つとも当てはまる。

その拡大を閣議決定したのは、この答弁の11か月前、同じ岸田内閣である。

これから、市場はもっと広がる

この話は、終わっていない。

2024年6月14日に成立した育成就労法は、2027年4月1日に施行される。技能実習を廃止し、目的を「国際貢献」から「人材の育成と確保」へ書き換えた法律である。

育成就労の出口には特定技能1号があり、その出口には特定技能2号がある。制度は階段としてつながっている。

そして2026年1月23日、政府は分野別の運用方針を閣議決定した。

制度 受入れ見込数の上限 分野数
育成就労(2027年4月〜) 42万6,200人 17分野
特定技能 80万5,700人 19分野
合計(2029年3月まで) 123万1,900人

新たに加わったのは、物流倉庫、リネンサプライ、資源循環の3分野である。

特定技能の上限は80万5,700人。2025年末の39万人から、倍にする余地がある。

月2万8,386円という単価で単純に計算すると、上限まで埋まった場合の年間市場は2,700億円を超える。ただしこの上限には支援義務のない2号が含まれ、自社支援の企業もあるため、実際にはこれより小さい。

この閣議決定は高市政権下で行われた。ただし、育成就労法は公布から3年以内の施行と定められ、政令で2027年4月1日と決まっている。施行日が固まっている以上、運用方針を出さない選択肢は行政にない。

枠組みを作ったのは、岸田政権である。

数字で終わる

最後に、この3年の数字だけを置く。

項目 2021年末 2025年末
在留外国人 276万0,635人 412万5,395人
特定技能 4万9,666人 39万0,296人
特定技能1号の対象分野 12分野 16分野
特定技能2号の対象分野 2分野 11分野
支援委託費の市場(試算) 約169億円 約1,329億円
岸田武雄氏の協会理事 在任 在任

2027年4月には育成就労が施行される。2029年3月までの受入れ見込数の上限は、特定技能と合わせて123万1,900人と閣議決定された。

市場は、まだ広がる。

そして、この配置について説明した人は、いまのところ一人もいない。

あなたは、この並びをどう読むだろうか。

参考資料

一次資料(当事者の公表情報)

一次資料(政府)

報道

関連(当サイト既報)

この記事に登場する人物岸田文雄

編集者K

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